2011年04月22日
Ｐ45 不合理な市場の動き
証券分析にとって、
3番目の障害は、
市場そのものである。
ある意味で、
市場と将来は、
同じ種類の障害である。
市場の動きと、
未来については、
証券アナリストでも、
予測も支配も、
できないものであるが、
皮肉なことに、
投資の成否は、
この2つの成否にかかっている。
従来の考え方によれば、
証券アナリストの主な役割は、
相場の動きとはほとんど、
またはまったく、
関係がない。
その主な役割は、
確定利付き優良債権の選択であり、
その分析に基づいて、
当該債権の元利の安全性を判断することである、
とされてきた。
債権の購入者は、
相場の動きには、
関心を払う必要はなく、
もっぱら、
どの債権が、
安全な投資対象であるのか、
といったことだけを、
考えればよかったのである。
しかし、
こうした投資法は、
今ではまったく、
時代遅れになってしまった。
それが、
どのような証券であろうとも、
その保有者が、
相場の動きに、
無関心でいられるはずはない。
投資というときに、
常に強調されるのが、
その証券の「市場性」である、
という事実を見ても、
それは明らかである。
その証券が、
容易に売却できることが重要であるならば、
その証券が、
満足すべき値段をつけていることも、
また重要であるだろう。
優良債権の投資家が、
投機家よりも、
相場の変動について、
関心が低いのは事実だが、
相場の変動は、
それらの投資家にも、
心理的に強い影響を及ぼしている。
こうした理由から、
証券アナリストは、
証券に悪影響を及ぼす、
さまざまな要因、
とりわけ、
当該証券の、
基本的な安全性を左右する要因には、
十分に注意しなくてはならない。
証券アナリストの役割が、
過小評価、
ときには過大評価されている、
証券の発見に深くかかわっているため、
証券アナリストが、
相場の動きと、
無関係であるわけにはいかない。
いやむしろ、
証券アナリストの判断の成否は、
最終的には、
当該証券の価格そのものによって証明される、
といっても過言ではない。
証券アナリストのこういった役割は、
次の2つの前提を条件としている。
��
証券の時価は、
その本来の価値から常にかい離している、
��
時価と本質的価値とのかい離は、
自律的に修正される傾向がある―
ということである。
�，凌深造砲弔い董�
ウォール街ではよく、
「マーケットは絶対に間違わない」
といわれるが、
その一方で、
「株価とは、
その株を売れる値段であり、
それ以外の何物でもない」
というのもまた、
確かな真実なのである。
参考♪
