2011年11月10日

P220 運転資本の3つの要因


工業債の発行会社の、
流動資産状況を調べるときには、

次の3点をよくチェックする必要がある。

十分な現金を保有しているか

流動資産は流動負債をかなり上回っているか

債券債務と比較して十分な運転資本を持っているか


―である。


しかし、

これら3つの要因について、

それぞれの最低基準を決めるのは、
それほど簡単ではなく、

特に、

運転資本については、
企業によって大きなばらつきがある。


一般的には、

少なくとも流動負債の、
2倍の流動資産を持つべき、

だと言われており、

流動資産が、
これより少ない企業については、
さらに詳しく調査する必要がある。


われわれが提案する、
もうひとつの基準によれば、

少なくとも、
債券債務と同水準の運転資本は持つべきであろう。


この基準は、

恣意的なもので、
かなり厳しいと思われるかもしれない。


しかし、

1932年まで、
投資適格ランクを維持した、
すべての工業債の運転資本は、
いずれも、
債券債務を上回っているのである。

(ゼネラル・ベーキングは、
1932年に、
ようやくこの優良債権の仲間入りを果たした。

掲載企業18社のうち、
同社を含む13社が、
債券債務を上回る現金資産を保有している。)


工業会社のこうした流動資産の基準に対して、

鉄道会社の運転資本については、
それほど重視する必要はなく、

さらに、

公益事業会社にいたっては、
ほとんど問題にしなくてもよい。


その理由は、

これらの事業会社には、
生産財や在庫の調達資金は、
必要ではなく、

また、

顧客から、
直接現金を受け取るからである。


これらの企業は、

設備拡張のための新たな資金を、
定期的に調達し、

現金資産が不足しても、
それを容易に補充できるのである。


とりわけ、

好業績の企業にとって、

新たな資金の調達には、
何ら支障はなく、

流動負債を上回る流動資産の確保、
といった問題は、
ほとんど存在しない。


最近では、

鉄道会社も、
急速な拡大に見合う、
十分な現金を保有すべきだ、

といった声も聞かれ、

投資家としても、

やはり、
十分な運転資金を持つ、
公益事業会社の債券を選択するのが、
安全であろう。








参考♪



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