株式市場における再帰性

2011年01月26日

株式市場における再帰性 15


投資家は、

初めのうちは、
コングロマリットの構成企業に対し、

それぞれの業績に基づいて、
個別に評価をしていたが、

次第に、
グループ全体として、
評価するようになった。


またこの頃、

俗に、
ゴーゴー・ファンド・マネージャーといわれる、
コングロマリットの経営者と、
とくに親密な関係を持つ、

新しいタイプの投資家が出現した。


このファンド・マネージャーと、
コングロマリットの経営者は、

専用のホットラインで結ばれ、

コングロマリットは、

いわゆる、

「レターストック」、
(登録届けをしていない株を)を、

投資家に、

直接販売するようになった。


こうして、

コングロマリットは、

収益だけでなく、
自社の株価も操作することを、
おぼえたのである。



事態は、

私のモデルが、
示したとおりの展開を見せた。


株価収益率は、

上昇し、

やがて事態は、

期待を支えられなくなった。


人々は、
マネーゲームを続けながらも、

それまでのブームが、
誤解に基づいていることに気づき始めた。


しかし、

この流れを維持するには、

買収の規模を、
大きくしていく以外になかった。


そしてついに、

コングロマリットも、
規模の限界に達したのである。


そのクライマックスは、

ソール・スタインバーグによる、
ケミカル・バンクの買収劇だった。


この戦いは、

受けて立った、
ケミカル・バンク側の勝利に終わった。








参考♪



a_rise at 00:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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