株式市場における再帰性

2011年01月24日

株式市場における再帰性 14


私がこのモデルを、
初めてシステマティックに運用したのは、

1960年代後半の、
経営多角化ブームのときだった。


このおかげで、

株価を上げているときも、

下げているときにも、

利益を上げることができた。



多角化ブームに火をつけたのは、

投資家の間に広がった、
誤解だった。


当時、

投資家たちは、

一株当たり利益の伸びを、
評価するようになってきており、

収益が伸びた原因の方は、
おろそかにされていた。


収益を伸ばした企業の中に、

企業買収によって、
大きな収益の伸びを記録する企業があった。


いったん、

市場が、
それに反応すると、

彼らの、
買収による多角は、
ますます楽になった。


なぜなら、

他の企業を取得する際に、

自社の高い株を提供できたからだ。


理論的には、

このプロセスは、
次のように作用する。


仮に、

すべての関連企業は、
収益の成長率が同じで、

買収企業の株は、
被買収企業の、
2倍の株価収益率を示している、


としよう。


ここで、

買収企業が、

買収によって、
規模を、
2倍に大きくしたとしたら、

一株当たり利益は、
50%も飛躍的に上昇し、

成長率も、
それに応じて、
上昇する。



実際には、

初期のコングロマリットは、
高い内部成長率で出発し、

それが、
高い株価収益率をもたらした。


記録的な高度成長率を実現した企業の中には、

強力な防衛部門を持った、
ハイテク企業があった。


たとえば、

テクストロン、
テレダイン、
リングーテムコーヴォード(後のLTV)、

などである。


これらの企業の経営者は、

驚異的な成長率が、
いつまでも続かないことを知っていた。


そこで、

凡庸な企業を買収し始めた。


その結果、

一株当たり利益の伸びが、
加速したので、

株価収益率は、
縮まるどころか、
拡大した。


彼らの成功を見て、

その手法をまねる企業が増え、

やがて、

ごく凡庸な会社ですら、

買収により、
高い株価収益率を達成することが、
可能になった。


たとえば、

オグデンの収益の大部分は、

金属のスクラップを、
販売して得たものであるが、

株の方は、
最高のときで、

収益の20倍以上で売れたのである。


そのうち、

収益を、
企業買収に、
効率的に使うことを約束するだけで、

高い株価収益率を、
達成できるようになった。



経営者は、

買収の効果を増大させる、
特別な会計テクニックを編み出し、

さらに、

取得した企業の改革に乗り出した。


事業の効率化や、
資産の売却を行い、

現場の改革にも力を入れた。


しかし、

こうした改革が、

株価収益率に与える影響よりも、

他企業の取得そのものが、
与えるインパクトの方が大きかった。








参考♪



a_rise at 14:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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