―第2部 確定利付き証券 【5】

2011年10月24日

P178 正しい投資原則 (2)


一方、

「貸借地一番抵当付債券(First-Leasehold Mortgage Bond)」、
と呼ばれる証券は、

実際には、
二番抵当付き債券である。


その資産に対する第一順位の費用は、
地代である。


この種の証券を購入するときには、
こうした点をよく理解しなければならない。


さらに、

不動産抵当証券では、
通常の商取引の場合に比べて、

一番抵当権が、
二番抵当権よりも、
はるかに強い権利を有していることを、
よく認識しておくことも大切である。


こうした目に見える要因のほかに、

入居者を常に確保し、

まわりの快適な環境を維持して、
資産価値を減らさないためにも、

立地と建物の造作が極めて大切であることも、
念頭に置かなければならない。

(1933年に発行された、
不動産抵当債券の好例のひとつは、

ニューヨークの金融街にある、
2棟のオフィスビルを担保とした、
トリニティー・ビルディングズ・オブ・ニューヨークの、
一番抵当付き社債、
[利率 5 1/2%、満期1939年]、
であろう。

発行額は、
430万ドルで、

1300万ドルの課税評価額の土地と、
建物の一番抵当権で、
担保されていた。

同社の1931年の総収益は、
223万ドルで、

減価償却費控除後の純利益は、
同社債の支払利息の6倍に達していた。


1932年に、

賃貸収入は、
165万3000ドルに減少したが、

支払い利息に対する収益の倍率は、
まだ3.5倍を維持していた。


しかし、

1933年9月に、
同社債は額面付近まで下落した。)



ここでもう一度警告するが、

ホテルや車庫などの特殊な、
または、
限定された目的の建物の抵当債券は、
絶対に購入すべきではない。


この種の債券に投資するとすれば、
それは、
個人レベルの融資、
と考えるべきである。


優良な工業債の投資基準に関する、
われわれの先の見解でも示したように、

新設のホテルなどを担保とした証券の投資は、
どこから見ても、
インカムゲインを目的とした投資とは言えない。










参考♪



a_rise at 04:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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