―第2部 確定利付き証券 【7】

2011年11月09日

P210 事例


批判的な検討に値する、
もうひとつのケースは、

シティーズ・サービス・パワー・アンド・ライトが、
1926年4月に、
96ドルで発行した、
(利率 6%、1944年満期、利回り 6.35%)、

であろう。


その募集案内書には、
1925年(暦年)の損益収支が、
次のように記載されている。


営業外収益を含む総収益
49,662,000ドル

営業費用・税金控除後の純利益
19,096,000ドル


(差し引き)

金融費用・子会社の支払優先配当
10,102,000ドル

減価償却費
1,574,000ドル

少数株主持分
209,000ドル


支払利息に充当可能な利益
7,211,000ドル

支払利息
1,466,000ドル


この募集案内書の数字によれば、

「金融費用に充当可能な利益は、

シリーズA社債の、
年間最大利息(146万6,250ドル)に対する利益の倍率、
4.9倍、
を上回るばかりか、

既発債の総額に対する支払利息(173万6,250ドル)に対する利益の倍率は、
4.1倍以上」

ということになる。


この募集案内書の数字は、
2つの重要な点で間違っている。


まず、

既発債に対するインタレスト・カバレッジを計算刷るのに、
プライア・ディダクションズ・メソッドを使っていること、

もうひとつは、

減価償却費が、
意図的に低く表示されていること、

である。


ニューヨーク証券取引所に提出された、
上場申告書を繊細に分析したところ、

1925年6月30日に終了する年度中に、
同社の営業子会社が、
521万4,000ドルもの取替え支出を計上していたのである。


この金額は、
信託証書に記載されていた減価償却費の、
ほぼ4倍に当たる。


正確な減価償却費を計上し、

また、

適正な計算法で、
インタレスト・カバレッジを求めれば、

同社の募集案内書の決算数字は、
以下のように修正される。


総収益
49,662,000ドル

少数株主持分控除後の純利益
19,189,000ドル

1925/6/30に終了する年度の減価償却費
5,214,000ドル

金融費用に充当可能な利益
13,975,000ドル

支払利息・子会社の支払優先配当
10,102,000ドル

親会社の支払利息
1,736,000ドル

金費用総額
11,838,000ドル

親会社の配当可能利益
2,137,000ドル

金融費用に対する利益の倍率
1.18倍


これらの数字は、

支払利息に対する利益の倍率が、
4.1倍とか4.9倍などと記載されていた、
先の募集案内書の数字とは、
大違いである。








参考♪




a_rise at 01:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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