―第2部 投資適格な優先株
2011年11月18日
P250 既発債の規模が問題
先の優良優先株のリストの中で、
興味ある事実のひとつは、
多くの会社が既発債を有していることである。
しかし、
重要なことは、
既発債の単なる有無ではなく、
その規模が重要なのである。
そのうちの3社は、
ほんのわずかな既発債しか持っていないが、
それらの会社が、
伝統のある大企業であることをみると、
それらは、
以前に発行した債券の残りであろう。
(これらの会社とは、
ゼネラル・エレクトリック、
アメリカン・タバコ、
コーン・プロダクツ・リファイニング、
などである。
これらの企業の場合、
資本金と余剰金に占める債権の比率は、
10%以下であると見られる。)
一方、
まったくの偶然であろうが、
優良優先株リストに含まれる、
非累積的優先株の3銘柄のすべてが、
タバコ企業の優先株である。
これは、
タバコ企業が最高の投資先である、
ということを意味するのではなく、
投資家は、
その会社の業種に対する個人的な好みで、
その証券の善し悪しを判断してはならない、
ということである。
確定利付き証券を選択するときの安全な基準は、
やはり、
長期にわたる好業績、
その産業が本来的に安定していること、
将来の業績が急速に悪化する、
具体的な証拠がないこと、
―などであろう。
優先株の特徴を列挙した先のリストから、
われわれが読み取らねばならないのは、
証券の形態やささいな欠点などは、
その投資価値とは、
基本的に無関係である、
ということである。
参考♪