―第2部 保証証券(続)

2011年12月02日

P274 子会社の債券を購入するときの注意点


以上の例は、

投資家が、
強力な会社の保証を、
過小に評価する傾向があるということと、
正反対のケースであり、

ある会社が、
別の会社によって支配されているという事実を、
あまりにも重視しすぎた誤りである。



確定利付き証券への投資、
という観点から見て、

重視すべきこととそうでないことを、
厳密に区別する必要がある。


これらの事例が示すように、

もし、

親会社が、
子会社の支払利息の、
直接的な責任を担っていない場合には、

親会社の業績だけを見て、
その子会社の債券を購入することは、
かなり危険である。


債券を購入するときには、

その発行会社自身の業績に照らして、
決定すべきである。


(しかし、

実際問題として、

親会社が、
子会社を完全に支配している場合には、

そうした義務がなくても、
子会社の債券を保護するのが普通である。


しかし、

たとえそうであるにしても、

そうした債券の購入が正当化されるのは、

[元本の大幅な値上がりが見込めるという]、
投機的な価格での買いだけに限られ、

通常の投資適格水準で、
そうした債券を購入するのは、
危険である。


具体的に言えば、

ユナイテッド・ドラッグの5%債の、

45ドルという価格は、
投機的な価格としては魅力的だが、

93ドルともなれば、
それは投資不適格な水準である。)


以上のケースを、

第13章の検討結果、
(親会社の単独決算ではなくて、
連結決算を重視する)、
と比較すると、

次のような結論が得られるだろう。


すなわち、

持ち株会社の債券を購入する投資家は、
子会社の支払利息(保証の有無を問わず)を、
優先費用として扱う、
連結損益計算書を重視すべきである。


しかし、

保証の付いていない、
子会社の債券を購入するときには、

そうした連結決算を、
安全性の基準としてはならず、

あくまでも、

投資先である、
その子会社の業績だけを見ることである。










参考♪



a_rise at 03:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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