―第2部 保証証券(続)

2011年12月01日

P273 事例


ユナイテッド・ドラッグはドラッグの主力子会社で、

ドラッグは主に、
特許薬とその他の医薬品で大きな利益を上げ、

大幅な配当を実施していた。


1932年の、
ドラッグの連結損益計算書によれば、

その利益は、
ユナイテッド・ドラッグの、
5%債の支払利息の10倍に達し、

さらに増益基調が続いていた。


このため、

ユナイテッド・ドラッグ債には、
ドラッグの保証が付いていなかったものの、

投資家は、

連結決算が好調なことから、
この債券の安全性を疑うことはなかった。


一方、

ユナイテッド・ドラッグは、

多くのドラッグストアを経営する、
ルイス・K・リゲットの、

株式、
資産、
事業施設、

を保有していたが、

リゲットは、
重い賃借債務を抱えていた。


1932年9月に、

リゲットは、
地権者に対して、

賃借料を値下げしなければ、
倒産に追い込まれる、

と通告した。


この事態によって、

投資家は、

初めて、

業績の好調なドラッグが、

間接子会社である、
リゲットの債務を保証していないこと、

さらには、

ユナイテッド・ドラッグの、
5%債の利払いも保証されていないこと、

を知ったのである。


これを受けて、

この5%は、
年初の93ドルから42ドルに急落した。


この安値での時価総額は1,700万ドルと、

額面総額の4,000万ドルを大きく下回ったが、

親会社であるドラッグの、
株式の時価総額は依然として1億ドル、

(発行株数は350万株、
株価は約30ドル)

を割り込むことはなかった。


一方、

ニューアムステルダム・ガスの、
一番抵当付き社債、
(利率 5%、1948年満期)も、

1914〜21年に、
同じような経緯をたどった。


同社が、
コンソリデーテッド・ガスの子会社であることから、

この社債は、
投資家から高い評価を受け、

長年にわたり、
額面付近で売買されていた。


しかし、

一般投資家は、

この社債には、
親会社の保証が付いていないこと、

さらには、

ニューアムステルダム・ガスは、
自らの支払い利息を、
賄えるほどの利益も上げていない、

という事実を知らなかった。


1920〜21年の不況時になって、
ようやくこうした事実が知られた結果、

同社債は58ドルに急落した。


このほか、

パブリック・サービス・オブ・ニュージャージーの、

子会社である、
コンソリデーテッド・トラクションは、

大手企業ながら収益は低迷し、

その一番抵当付き社債(利率 5%)には、
親会社の保証は付いていなかった。


このため、

多くの投資家は、

1933年の満期時に、

親会社が提示した65ドルという償還価格を、
受け入れざるを得なかった。








参考♪



a_rise at 05:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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