―第2部 保有証券の管理
2011年12月27日
P326 投資銀行
投資銀行の投資顧問サービスにも多くの問題がある。
販売すべき証券を抱えている会社が、
顧客に公平なアドバイスを行うことなどできるだろうか。
その目的が、
どれほど論理にかなっていようとも、
私利私欲が、
そのアドバイスに大きく反映されるのは当然であろう。
特に、
証券セールスマンの生活が、
顧客に、
売れ残りの証券を、
押し付けることで成り立っているような場合には、
なおさらである。
一方、
名声のある証券引受会社が、
顧客に対して、
誠実な態度をとっていることも事実である。
投資家に、
安全なアドバイスを提供したり、
また、
有利な証券を販売することは、
誠実な企業慣行の表れであり、
そうしたことは、
プロとしての行動倫理から出たものであろう。
しかし、
証券の販売は、
聖職ではなくビジネスであり、
当然、
ビジネスライクに行われるものである。
投資家に、
有利な証券や満足感を与えることは、
証券会社の利益にもつながるが、
往々にして、
両者の利害は対立するものである。
投資銀行が、
投資家に、
公平なアドバイスを提供することができないのと、
同じように、
証券会社に、
有利なアドバイスを求めることも、
やはり間違っている。
参考♪