―第3部 投機的な上位証券

2012年03月27日

P410 資本構成の違いが企業価値を左右


以上の検討結果によれば、


普通株が、
優先株と普通株に分割されたとき、

その合算価値は、
以前の普通株の価値と常に等しくなる、

と考えられる。



しかし、


これは、

理論的にはまったく正しいが、


実際には、

必ずしもそうではない。



というのは、

証券資本を、
上位証券と普通株に分割すれば、

普通株だけの資本よりも、
有利になるからである。


(この問題については、
第40章の「資本構成」で詳しく検討する。)



これまでの検討結果と、

われわれの、
「上位証券の最大価値の原則」をまとめると、

次のようになる。


X社の価値=Y社の価値と仮定する。


X社は、
優先株 (P) と普通株 (C) を持つが、

Y社は、
普通株 (C') だけである。


このときに次の方程式が成り立つ。

Pの価値+Cの価値=C'の価値


この方程式の両辺は等しい、

つまり、

両社の企業価値は等しい。




しかし、

実際には、

この方程式が、
常に成り立つとは限らない。


優先株+普通株の資本構成が、
普通株だけの資本構成よりも、
有利となるからだ。


そして、

われわれの、
「上位証券の最大価値の原則」に従えば、

優先株 (P) の価値は、
普通株 (C') の価値を超えることはない。


これは、

市場操作を狙った投機的な行為などが、
すべての合理的な考え方を無効にする、

といったケースを除けば、

理論的にも現実的にも正しのである。



われわれのこの原則は、

否定形で述べられてきたため、


その適用も、

基本的には否定形で行われた。


この原則は、

優先株や債券の価値が、
時価と異なる場合に、
大きな価値を発揮するだろう。


そして、

この原則を肯定的で適用しようとすれば、

次のような条件が必要であろう。


すなわち、


(その会社の完全な所有権を持つ)優先株の、
「普通株化」した価値額を算出する、


この価値額から、
既存の普通株に帰属する金額を、
どれだけ控除するのかを決める。



こうしたアプローチは、

特定の上位証券の価値が、
時価をどれだけ上回っているか、

を調べるときに有効である。



しかし、

その実際の適用に当たっては、
数学的な処理の範囲から大きく逸脱する部分もあり、

また、

普通株の評価も、
不確定な要素が多く難しい作業であることは、
事実である。









参考♪



a_rise at 03:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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