―第3部 投機的な上位証券

2012年03月26日

P408 未払配当を重視しすぎる危険性 (2)


われわれのいう、

上位証券の最大価値の原則」の具体例として、

アメリカン・ジンク株のケースを取り上げた。



それでは一体、


同社の優先株が、

1928年につけた、

118ドルという価格は、

高すぎるのだろうか。



もし、

優先株主が、
同社を完全に所有している、

と仮定すれば、


それは、

過去8年間の営業赤字を経て、

1928年に、

ようやく、

1株当たり6ドルの利益を出せるようになった、

いわゆる、

「普通株」の118ドルと同じことである。



しかし、

1928年の熱狂的な相場の下でも、

同社の普通株を、
そんな高値で購入する投資家はいないだろう。


また、

同社の普通株の57ドルという価格も、
明らかにバカげたものである。


それは、

同社の次のような価値に照らしても明らかである。


優先株
80,000株×1株118ドル = 9,440,000ドル

普通株
200,000株×1株57ドル = 11,400,000ドル

株式時価総額
20,840,000ドル


1928年の収益
481,000ドル

1920〜27年の平均収益
188,000ドル (赤字)



アメリカン・ジンクの株式価値を、

仮に、

すべて普通株(8万株)で表示すると、

1株当たり260ドル、

(収益率は、
1株当たり6ドル、無配)、

ということになる。



未払累積配当のうわさで、

大衆投資家が惑わされた数字の実体は、

このようなものであった。



アメリカン・ジンクほど極端ではないが、

もうひとつの興味ある例が、

アメリカン・ハイド・アンド・レザーである。



同社の優先株の利益は、

1922〜28年に、

1株当たり4.41ドルを超えることはなく、

その平均収益率も極めて低かった。



しかし、

この期間中でも、

優先株は、
66ドルの高値で売買されていたのである。


こうした高値を支えていたのは、

この期間中に、

累積優先配当が、
1株当たり約120ドルから175ドルに増加した、

という投機的なうわさだった。



同社のこのケースに、

われわれの原則を当てはめて、


優先株主が、
同社の完全な所有権を握っている、

と仮定しよう。



長期にわたる無配のあとで、

ベストの収益率でも、
やっと、
1株当たり2ドルという普通株が、

65ドル以上になったとすれば、


それは極めて異常なことであろう。



同様に、

それは、

同社の優先株にとっても、

高すぎる価格であり、


その累積配当が、
どれほど多額になっていたとしても、

その異常さに変わりはない。








参考♪



a_rise at 04:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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