―第4部 株式配当

2012年09月09日

P475 優先株による株式配当


普通株の代わりに、
優先株による株式配当が実施される場合もある。


その好例がゼネラル・エレクトリックで、

同社は、

1922〜25年に、

8ドルの定期現金配当に加えて、
5%の特別株式配当を実施した。


特別配当として支払われたのは、
配当 6%の特別株式(額面10ドル)で、

それは、

実質的には優先株だった。


一方、

S・H・クレスやハートマンも、
優先株による株式配当を実施している。


優先株配当の理論的なメリットは、

配当額が、
発行済み優先株の実効額面によって決められることで、

これによって、

簿価と時価の価格差に伴う複雑な問題はなくなる。


(株式配当が転換優先株で行われた場合、

時価の過大評価という問題は、
完全には解消されないだろう。


例えば、

コロンビア・ガスは、

1932年に、

普通j株主に対して、

転換優先株、
[配当 5%、額面100ドル]で、

1.125ドルの株式配当を実施したが、

その1株は、
普通株5株と転換できる。


同社の優先株は、

1932年には108ドル、
1933年には138ドルの高値をつけ、

普通株に比べて、

かなり高い水準で買われていた。)



また、

上位証券を発行していなかったり、

または、


その発行額が少ない企業が、

再投資利益分を、
株主に優先株で還元しても、
資本構成を弱めることはない、

という利点もある。



一方、

S・H・クレスは、

1931〜33年の不況期に、

売上減から、
運転資本の維持率が低下したため、

剰余現金で、
発行済み優先株の一部を償還することを決定した。


株主の立場からすると、

こうした措置は、

未配分利益の活用法としては、
かなり望ましいものである。


優先株の償還は、
次の2つの手順で行われた。


好況期には、

設備拡張または運転資本増強のために、
社内に利益を留保するが、

株主は、
定期配当として優先株を受け取る。



不況期になれば、

資本の増大は不要となるため、

株主が保有する優先株を償還することで、
現金配当を支払う。



しかし、

同社のこうした方法が、

米証券の歴史のなかでも、
例外的なケースとして終わってしまったのは、
残念なことだった。


また、

優先株配当として株主に支払われたのが、
利益剰余金のわずか20%にとどまったことも、
残念である。


もっとも、

こうしたマイナス分を差し引いても、

同社のこうした措置は、

株主が、
経営陣に期待する配当政策に、
一歩でも近づいたものとして、
特筆に価するものである。









参考♪



a_rise at 11:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
記事検索
QRコード
QRコード