―第4部 株式配当
2012年09月09日
P474 定期株式配当の悪用
定期株式配当がブームになると、
それを公表利益の粉飾に利用する会社も出てきた。
すなわち、
ある事業会社が、
当期利益よりも、
高い市場価値を持つ株式配当を実施すると、
投資信託やその持ち株会社などが、
受け取った株式配当分の時価を、
実際の利益として報告したのである。
例えば、
ノースアメリカンの普通株を大量に保有していた、
セントラル・ステーツ・エレクトリックは、
1928年の総収益を、
720万ドルと報告したが、
実際には、
そのうちの約640万ドルは、
その年に株式配当として受け取った、
ノースアメリカン株の簿価を計上したものだった。
この株式配当分の簿価は、
1株74ドル、
(10%の配当率で7.40ドル)、
と発表された。
(同年のノースアメリカンの1株利益は、
4.68ドル)
セントラル・ステーツが、
このような問題のある利益を発表しても、
株式市場は、
それをそのまま株価に繁栄したのである。
参考♪