―第5部 損益計算書の特別損失
2012年09月28日
P504 社債発行差金
企業が発行する社債の多くは、
額面以下で発行される。
この差額分と支払利息は、
償還までの期間中に、
当期利益から償却される。
しかし、
この種の費用をバランスシートには記載せずに、
剰余金から一括して控除する、
いわゆる、
「保守的な」会計手続きをとる企業も、
少なくなかった。
もっとも最近では、
将来の利益を膨らませて株価を高値に維持するために、
こうした費用を、
剰余金から一括控除する企業も増えてきた。
例えば、
アソシエーテッド・ガス・アンド・エレクトリックは、
1932年に、
社債発行差金として、
589万2,000ドルを剰余金から控除した。
(ニューヨーク証券取引所は、
各企業のこうした会計処理を強く批判している。
株式上場委員会のホクシー副委員長は、
1933年2月に、
次のように述べている。
「[社債発行差金のような]繰延費用を、
資本剰余金や利益剰余金から、
一括控除してはならない。
そうした会計処理は、
将来の利益を歪め、
投資家に正確な情報を提供できなくなる。
この種の費用は、
当期利益から控除すべきである。
会計監査人は、
こうした費用を、
資本剰余金などから控除しようとする企業の会計処理を、
認めてはならない」)。
参考♪