―第5部 減価償却費と収益力
2013年08月22日
P544 事例
1924年に、
チェサピーク、
ホッキング・バレー、
ペレ・マーケット、
ニューヨーク・シカゴ、
エリー、
の各鉄道会社の合併話が持ち上がった。
しかし、
チェサピーク鉄道の一部の株主は、
この合併条件が、
同社にとって著しく不利であると主張し、
また、
州際商業委員会からも、
その同意を取り付けたとして、
この合併安に強く反対した。
株主は、
その理由として、
チェサピーク鉄道の過去3年間の利益は、
かなりの減価・除却償却費を控除したために、
控えめな数字となったが、
それがなければ、
実際の利益は、
公表された利益をかなり上回ったであろうと主張した。
結局、
この合併案は流れた。
(チェサピーク鉄道は、
1926〜28年に、
設備の減価償却費として、
多額の減価償却費を控除したが、
その後、
州際商業委員会は、
その種の費用は、
資本支出に当たるとして異議を申し立てた。
この対立は、
1933年に法廷に持ち込まれたが、
最終的には、
州際商業委員会の主張が認められた。)
これと同じケースは、
1929年の、
ベスレヘム・スチールと、
ヤングズタウン・シート・アンド・チューブとの、
合併話でも見られた。
(この合併話も流れた。)
次の表は、
両社の減価償却費に関する各種データを示したものである。
1928年
ベスレヘム・スチール
ヤングズタウン・シート
固定資産評価額(1927/12/31)(ドル)
673,000,000
204,000,000
売上高(ドル)
295,000,000
141,000,000
減価・減耗・陳腐化償却費(ドル)
13,658,000
8,321,000
固定資産評価額に対する減価償却費の比率
2.03%
4.08%
売上高に対する減価償却費の比率
4.63%
5.90%
参考♪